2016年熊本地震で耐震等級3は倒壊したか?16棟の調査と注意点

熊本地震で耐震等級3は倒壊したか|16棟の調査結果と注意点

この記事で分かること

2016年の熊本地震で耐震等級3の木造住宅に倒壊はありませんでした。国の報告書に残る益城町の悉皆調査をもとに、数字が示す意味と自宅を確認する手順まで整理します。

  • 益城町の悉皆調査で耐震等級3の16棟に何が起きたのかを実数で確認できる
  • 旧耐震・新耐震・2000年以降で倒壊率がどれだけ違ったのかがわかる
  • 耐震等級3と「耐震等級3相当」の違いと、書類でどう確かめるかがわかる
  • 築年数から自宅の耐震基準を判定する手順と、そろえておきたい書類
  • 部分補強や補助金の申請で判断を誤らないための注意点を押さえられる
  • 2026年7月の令和8年熊本地震について、建物被害の分析がどこまで進んでいるかがわかる

熊本地震で耐震等級3の家は倒壊したのか?まず結論から

熊本地震で耐震等級3の家は倒壊したのか まず結論から

耐震等級3の家が2016年(平成28年)の熊本地震でどうなったのかは、国の調査報告書に実数が残されています。

まず事実を確認したうえで、そのデータをどこまで信じてよいのかを整理していきます。

なお、2026年7月28日には熊本県熊本地方を震源とする令和8年熊本地震(マグニチュード7.1)が発生し、宇城市と氷川町で震度7、益城町でも震度6強を観測しました。

この地震の建物被害については、国土交通省が2026年8月31日に「令和8年熊本地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会」を設け、2026年度内の取りまとめに向けて分析を進めている段階です。

耐震等級3の住宅がどうだったかの集計は、2026年9月時点ではまだ公表されていません。本記事で扱う数値は、すべて2016年の熊本地震に関する国の報告書に基づくものです。

益城町の悉皆調査でわかった耐震等級3の住宅の被害状況

益城町の悉皆調査でわかった耐震等級3の住宅の被害状況

国土交通省の「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書によると、益城町中心部の悉皆調査エリアにあった住宅性能表示制度を活用した木造住宅は19棟でした。このうち耐震等級3だった16棟は、14棟が無被害、2棟が軽微または小破の被害にとどまっています。

倒壊した住宅は1棟もありませんでした。悉皆調査とは、指定した区域内の建物を1棟残らず調べる方法で、サンプルを選ぶ調査より偏りが出にくいという特徴があります。

数字の重みが違う理由はここにあり、業界の宣伝資料ではなく国の報告書に残された記録である点も重要です。

震度7が二度発生しても倒壊と大破はゼロだった

震度7が二度発生しても倒壊と大破はゼロだった

2016年の熊本地震の特徴は、震度7が二度観測されたことにあります。同じ報告書には、前震で倒壊または崩壊したと考えられる木造住宅35棟のうち、旧耐震が30棟、昭和56年基準が5棟で、2000年以降の木造住宅は含まれていなかったと記載されています。

一度目の揺れで傷んだ建物が二度目で倒れた例も多く確認されました。そうした条件下でも、耐震等級3の住宅では倒壊も大破も確認されていません。一度きりの地震ではなく繰り返しの揺れに対する結果である点が、このデータの価値を高めています。

平井建設の本社は、この悉皆調査が行われた益城町にあります。2016年の地震では、構造の弱い家がどのように壊れていくかを同じ町内で目にしてきました。倒れた家と残った家を分けていたのは、壁の量だけではなく、壁の配置と接合部の納まりでした。

地域の住まいの事情については「益城町で家を建てる・直すときに知っておきたいこと」でも触れています。

無被害と軽微な損傷。内訳まで見ておきたい理由

無被害と軽微な損傷 内訳まで見ておきたい理由

注意したいのは、耐震等級3が「被害ゼロ」だったわけではないという点です。16棟のうち2棟には軽微または小破の被害が出ています。倒れなかったことと、無傷だったことは別の話です。

耐震等級3が保証するのは、あくまで構造躯体が倒壊や崩壊に至らないことであり、内装のひび割れや建具の不具合まで防ぐ性能ではありません。

ここを取り違えると、実際に地震を経験したときに「話が違う」と感じることになります。倒壊を免れることと、補修なしで住み続けられることは、区別して期待値を持っておきましょう。

正確な理解が、後悔しない判断につながります。

旧耐震 新耐震 2000年基準。耐震等級3で倒壊率はどう違ったのか?

旧耐震 新耐震 2000年基準 耐震等級3で倒壊率はどう違ったのか

同じ報告書の悉皆調査エリアでは、建築時期によって結果がはっきり分かれました。旧耐震の木造759棟のうち214棟、割合にして28.2パーセントが倒壊しています。

1981年6月以降の新耐震では1196棟のうち83棟で6.9パーセント、2000年6月以降では319棟のうち7棟で2.2パーセントまで下がりました。

2000年以降の319棟のうち196棟、61.4パーセントは無被害です。基準が更新されるたびに被害が減り、その先端に耐震等級3が位置していることが読み取れます。

結論を一言でまとめると

結論を一言でまとめると

結論としては、正式に耐震等級3を取得した木造住宅は、二度の震度7を受けても倒壊しませんでした。

ただし調査対象は16棟であり、この数字だけをもって全国すべての等級3に当てはめることはできません。報告書自身も、大きな損傷が見られなかった理由として、壁量が多く確保されていることなど、より高い耐震性を確保したことを挙げています。

つまり効いたのは等級という表示ではなく、その裏側にある壁の量と配置、接合部の作り込みでした。等級という表示ではなく中身をどう確かめるかが、判断の軸になります。次の章からは、この視点で不安を解いていきます。

▤

Document Request

いきなり相談は…という方へ。まずは資料でじっくり。

平井建設の家づくりを、資料でお確かめください。郵送・データ(PDF)からお選びいただけます。

会社案内・家づくりの考え方

施工事例集

自然素材の家の読本

価格・標準仕様の目安

✓ 無料 ✓ 無理な営業はしません

耐震等級3をめぐってよく聞く不安のパターン

耐震等級3をめぐってよく聞く不安のパターン

数字を見ても不安が消えないのは自然なことです。

ここでは検討中の人からよく聞かれる5つの疑問を並べ、それぞれがどこから来ているのかを言語化します。

震度7が二度来ても本当に耐えられるのか?

震度7が二度来ても本当に耐えられるのか

耐震等級3は、建築基準法が求める強さの1.5倍の地震力に耐えられる設計を指します。

ただし基準そのものは、極めてまれに起きる大地震を一度受けても倒壊しないことを前提にしており、同規模の揺れが繰り返されることまでは想定していません。ここが不安の出どころです。

2016年の熊本地震のデータが注目されるのは、その想定外の条件で実際に何が起きたかを示した数少ない記録だからです。
2026年(令和8年)7月28日の熊本地震についても国の委員会が分析中(※本記事執筆時の2026年9月時点)で、結果が出れば比較できる材料が増えます。

熊本地震のデータが注目されるのは、その想定外の条件で実際に何が起きたかを示した唯一に近い記録だからです。

理屈ではなく実績で確認できる材料がある、という点は押さえておきたいところです。想定を上回る揺れが起きうる前提に立つなら、基準ぎりぎりより余力を持たせる考え方に合理性があります。

耐震等級3は意味がないという意見を見て迷っている

耐震等級3は意味がないという意見を見て迷っている

意味がないという主張の多くは、耐震等級3そのものを否定しているわけではありません。実際には、正式な評価を受けていない住宅が同じ言葉で語られていること、地盤や施工の条件が抜け落ちていることを問題にしている場合がほとんどです。

主張の中身を分解すると、否定されているのは等級ではなく運用のばらつきだとわかります。批判的な意見にこそ確認すべき論点が含まれているため、避けるのではなく読み解く姿勢が役に立ちます。

鵜呑みにも切り捨てもせず、根拠として何が示されているかを見ましょう。出典のない断定が続く記事は、優先度を下げて構いません。

耐震等級3相当と書かれていたが同じものなのか

耐震等級3相当と書かれていたが同じものなのか

耐震等級3と耐震等級3相当は、同じ言葉に見えて意味が異なります。

前者は登録住宅性能評価機関という第三者が図面を審査し、設計住宅性能評価書が交付されたものを指します。後者は自社の計算で同等と判断したという意味で、外部の確認を経ていません。

2016年の熊本地震の調査で倒壊ゼロと確認されたのは、性能表示制度を使った正式な等級3の住宅です。

検討中の住宅がどちらなのかは、営業担当ではなく書類で確かめるのが確実です。地震保険の割引を受けられるのも、原則として評価書で等級を証明できる場合に限られます。

言葉の印象は近くても、受けられる扱いには違いが生じます。

防災拠点と同じ水準というのは、大地震のあとも住み続けられるという意味か?

防災拠点と同じ水準というのは大地震のあとも住み続けられるという意味か

耐震等級3は、災害時に活動拠点となる警察署や消防署に求められる水準と同等と説明されることがあります。これは地震後も建物を使い続けられることを目指した考え方に基づくもので、方向性としては正しい理解です。

ただし住み続けられるかどうかは、構造躯体だけでは決まりません。給排水やガス、電気といったライフラインが止まれば生活は成り立たず、内装や建具の損傷で使いにくくなることもあります。躯体の安全と生活の継続は分けて考えておきましょう。

水や電気の備蓄、家具の固定といった対策と組み合わせて、はじめて住み続けられる状態に近づきます。

建築費が上がる分に見合うのかわからない

建築費が上がる分に見合うのかわからない

追加費用がいくらかかるかは、建物の規模や形状、選ぶ工法によって幅が出ます。判断のポイントは、増える金額だけを見るのではなく、戻ってくる要素と並べて考えることです。

耐震等級3を取得すると地震保険料が50パーセント割引となり、長期的には保険料の差が積み上がります。さらに地震後の補修費を抑えられれば、その分も実質的な回収になります。

支出と回収の両側を書き出したうえで、家族にとっての優先順位を確認するのが現実的な進め方です。金額で決めきれない場合は、地震のあとに住み続けられるかという基準で考えてみてください。

なぜ耐震等級3の情報で不安になるのか?原因を分解する

なぜ耐震等級3の情報で不安になるのか 原因を分解する

不安の正体は情報そのものではなく、情報の伝わり方にあります。

ここでは混乱が起きる4つの構造的な原因を切り分けていきます。

倒壊 大破 軽微 という被害区分が混ざって語られている

倒壊 大破 軽微 という被害区分が混ざって語られている

同じ調査結果を扱っていても、記事によって使う言葉が違います。倒壊と書くもの、全壊と書くもの、被害ありとひとくくりにするものが混在しているのが実情です。

倒壊は建物が自立できなくなった状態を指し、罹災証明で使われる全壊とは判定の目的も基準も異なります。

言葉の定義がそろっていない状態で複数の記事を読み比べると、数字が矛盾しているように見えてしまいます。混乱の多くはここから生まれています。

読んでいて数字が合わないと感じたときは、まず何を数えているのかを確認しましょう。定義が違えば、どちらの記事も間違っていないという場合がほとんどです。

調査対象の棟数が少なく断定しにくい

調査対象の棟数が少なく断定しにくい

耐震等級3の住宅は16棟という数字で語られます。旧耐震の759棟や新耐震の1196棟と比べると、母数が二桁小さいことがわかります。

統計として扱うには少なく、確率を論じるには不十分だという指摘には一定の妥当性があります。一方で、当時はまだ性能表示制度の利用自体が少なかったという背景もあります。

数字を過信も軽視もせず、他の調査結果や設計の理屈と合わせて読むのが妥当な向き合い方です。

16棟すべてが倒壊を免れた事実は、確率ではなく傾向を示す材料として扱えます。母数は少なくとも、年代別のデータと方向性が一致している点には意味があります。

同じ耐震等級3でも構造計算の方法が二通りある

同じ耐震等級3でも構造計算の方法が二通りある

耐震等級3を表示する方法は一つではありません。簡易な壁量計算で等級3の基準を満たす方法と、部材ごとに力の流れを検証する許容応力度計算があります。

どちらも制度上は等級3ですが、検証している範囲は同じではありません。許容応力度計算では、柱や梁、基礎に生じる力まで個別に確かめていきます。

同じ表示でも設計の密度に差が出るため、この違いを知らないまま比較すると納得感が得られません。木造2階建てでは構造計算が省略できる規定があり、そのことが差を生む背景になっています。

見積書の金額だけを並べても、この違いは表に出てこない点に注意が必要です。

建物の強さ以外に地盤や築年数の条件が絡んでいる

建物の強さ以外に地盤や築年数の条件が絡んでいる

建物がどれだけ強くても、載っている地盤が弱ければ揺れの伝わり方が変わります。

2016年の熊本地震では、傾斜地における敷地の被害や擁壁の崩壊も多数確認されました。また築年数が古い住宅は、当時の基準そのものが現在と異なります。

西原村では築40年を超える旧耐震と推測される木造住宅の倒壊が多く確認されました。

条件が違う建物を同じ土俵で比べようとすると、話がかみ合わなくなるのは当然のことです。

耐震性は建物単体で決まるものではなく、地盤と基礎と躯体と施工がそろって成り立ちます。

自分の家の条件を先に整理すると、集めた情報を正しく当てはめられます。

不安の原因別に見る解決策

不安の原因別に見る解決策

原因が整理できれば、確かめる方法も決まります。

ここからは4つの原因それぞれに対して、何を見れば納得できるのかを具体的に示します。

被害区分の言葉をそろえて調査結果を読み解く

被害区分の言葉をそろえて調査結果を読み解く

情報を読み比べる前に、出典を確認する習慣をつけると混乱が減ります。

確認すべきは、どの調査の数字か、どの被害区分で数えているか、母数は何棟かの3点です。この3つがそろっていない記事は、他の情報と並べて比較する土台になりません。

国の委員会報告書のように一次資料が公開されているものは、原典を開けば定義まで確認できます。遠回りに見えても、最初に定義をそろえておくほうが結果的に早く判断できます。

国土交通省の報告書はウェブで公開されており、章ごとに分かれた資料を誰でも読めます。引用元が記載された記事を優先するだけでも、情報の精度は変わります。

設計住宅性能評価書で耐震等級3かどうかを確認する

設計住宅性能評価書で耐震等級3かどうかを確認する

正式な耐震等級3かどうかは、設計住宅性能評価書を見れば確定します。この書類には、構造の安定に関する項目として耐震等級が数字で記載されています。

新築で検討中なら設計段階で取得予定かどうかを、既存住宅なら書類が残っているかを確認しましょう。

中古住宅の場合、評価書が引き継がれていないケースも珍しくありません。書類がなければ、現状では等級が不明であるという前提で話を進めるのが安全です。

建設住宅性能評価書まで取得している場合は、施工段階の検査も受けていることを示します。設計と建設のどちらの評価書があるのかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。

壁量計算か許容応力度計算かを設計者に確認する

壁量計算か許容応力度計算かを設計者に確認する

どの方法で等級3を確認したかは、設計者に聞けば答えが返ってきます。

質問の仕方は難しく考える必要はなく、「構造計算は許容応力度計算か?」と尋ねれば十分です。あわせて計算書を見せてもらえるかを聞くと、対応の姿勢まで含めて判断材料になります。

説明を避けたり、専門的すぎるからと話をそらしたりする場合は、その反応自体が情報です。根拠を開示できるかどうかは、性能の数字と同じくらい重要な判断軸になります。

計算書は専門的で読み解けなくても構いません。存在するかどうかを確かめるだけで十分です。他社と比べるときも、同じ質問をすれば回答の差が見えてきます。

Free Consultation

家づくりのこと、気軽に聞いてみませんか。

新築・リフォーム・リノベーション、土地や資金のこと。「まだ漠然としている」段階でも大丈夫です。熊本・益城の工務店が、根拠をお見せしながらお答えします。

✓ 相談無料 ✓ 無理な営業はしません

壁の配置バランスと接合部の金物をチェックする

壁の配置バランスと接合部の金物をチェックする

報告書は、耐震等級3の住宅で大きな損傷が見られなかった理由として、壁量が多く確保されていることなどを挙げています。壁は量だけでなく配置も結果を左右します。

一方向に偏っていると地震時にねじれが生じ、局所に力が集中します。接合部も同様で、新耐震で倒壊した住宅のうち接合部を確認できたもののほとんどが、2000年に明確化された接合部仕様を満たしていませんでした。

壁をいくら増やしても、柱が土台から抜けてしまえば力を伝えられません。壁の量、壁の配置、接合部の金物の3点は、必ずセットで確認するようにしましょう。

平井建設が構造用パネルに秋田杉の間伐材を網状に組んだアミパネルを使っているのも、この考え方によるものです。

パネル自体が耐力壁として働くため壁の量を確保しやすく、建物を軽く仕上げられることが地震に対して有利にはたらきます。

網目状の構造は通気と透湿にも優れ、壁の中に湿気をためにくい点も特徴です。

構造と断熱をどう考えているかは「平井建設が家づくりで大切にしている8つのこと」にまとめています。

屋根の重さと地盤の条件を合わせて確認する

屋根の重さと地盤の条件を合わせて確認する

建物にかかる地震の力は、建物の重さに比例して大きくなります。

屋根が重いほど頂部が大きく揺れ、柱や壁への負担が増えるという関係です。既存住宅で耐震性を上げたい場合、屋根を軽くする選択肢が有効になるのはこのためです。

あわせて地盤の条件も確認しておきましょう。地盤調査の結果や周辺の造成の履歴、ハザードマップで示された液状化の可能性は、建物の対策と切り離さずに見ておく必要があります。

2016年の熊本地震では傾斜地の敷地被害や擁壁の崩壊も多数確認されており、敷地側の対策も課題になりました。

建物と敷地の両方を見て、はじめて全体の備えが整います。

今日からできる確認の手順

今日からできる確認の手順

ここからは実際に手を動かす段階です。

書類を探すところから専門家に聞くところまで、順番に進められるよう5つの手順に分けました。

わが家の建築年を調べて耐震基準を判定する

わが家の建築年を調べて耐震基準を判定する

最初にやることは、建物がいつ建築確認を受けたかを調べることです。

建築確認済証や検査済証、登記事項証明書に日付が記載されています。

1981年5月以前なら旧耐震、1981年6月から2000年5月なら新耐震、2000年6月以降なら接合部の仕様が明確化された現行基準にあたります。

2016年の熊本地震の倒壊率はこの区分で大きく変わったため、まず自宅がどこに入るかを確定させましょう。書類が見当たらない場合は、固定資産税の課税明細や家屋の登記から建築年を推定できます。

増築を重ねている住宅では、部分ごとに年代が異なることもあるため注意してください。

築40年から50年の住宅は震度6強でどうなるのかを知っておく

築40年から50年の住宅は震度6強でどうなるのかを知っておく

築40年から50年の住宅は、多くが旧耐震基準で建てられています。2016年の熊本地震の悉皆調査では、旧耐震の木造759棟のうち214棟が倒壊しました。

西原村でも、築年数がおおむね40年を超える旧耐震と推測される木造住宅の倒壊が多く確認されています。震度6強でも、壁量が不足していたり接合部が弱かったりすれば大きな被害につながります。

ただしこれは平均の話であり、個別の建物の状態は診断しなければわかりません。同じ築年数でも、これまでにリフォームで壁を増やしていれば評価は変わります。

逆に間取り変更で壁を抜いていれば、当初より弱い可能性もあります。築年数の古い住宅では、重い瓦屋根を軽い金属屋根に葺き替えるだけでも効果が期待できます。屋根の重量はおよそ10分の1になり、地震時の揺れ幅を抑えられるためです。

平井建設では耐震診断を行ったうえで、命を守る部屋から進める部分補強と、家全体の総合補強を段階に分けて提案しています。

「診断から補強までの進め方と費用の目安」もあわせて参考にしてください。

図面と住宅性能評価書の有無を確認する

図面と住宅性能評価書の有無を確認する

次に、手元にどんな書類が残っているかを確認します。

そろえておきたいのは建築確認済証と検査済証、設計図書一式、そして設計住宅性能評価書です。

図面があるかどうかで、耐震診断にかかる手間も精度も変わってきます。

増築やリフォームをしている場合は、そのときの図面もあわせて探しておきましょう。

書類が見つからない場合でも診断は可能ですが、現地調査の範囲が広がる点は知っておくとよいでしょう。図面が残っていない場合、床下や小屋裏を調べて構造を推定していくことになります。

住宅を購入したときの資料一式がまとまって保管されていないか、先に探してみてください。

気になる点を書き出してセルフチェックする

気になる点を書き出してセルフチェックする

専門家に相談する前に、気になっている点を紙に書き出しておくと話が早く進みます。

建築年、1階で壁が少ない面はどこか、屋根は瓦かどうか、増築をしているか、基礎にひび割れがないか、敷地に擁壁や高低差があるか。この6点を埋めるだけで十分です。

書き出す過程で、自分が何を不安に感じているのかも整理されていきます。

スマートフォンで基礎や外壁、屋根の写真を撮っておくと、相談時の説明がさらに具体的になります。

このチェックシートは、そのまま専門家に渡せる資料としても使えます。

工務店や設計者に構造の説明を求める

工務店や設計者に構造の説明を求める

最後の手順は、構造について説明を受けることです。

新築を検討中なら耐震等級の取得方針と構造計算の方法を、既存住宅なら耐震診断で何を調べるのかと費用の目安を聞いておきましょう。

このとき、図面や計算書を見せながら説明してくれるかどうかが一つの目安になります。

言葉だけでなく根拠となる資料が出てくる相手であれば、その後の打ち合わせも進めやすくなります。

曖昧な答えしか返ってこない場合は、別の会社にも同じ質問をしてみましょう。複数の回答を並べると、説明の丁寧さや根拠の示し方の違いが見えてきます。

判断を誤らないための注意点

判断を誤らないための注意点

最後に、確認を進めるうえで見落としやすい落とし穴を4つ挙げます。

どれも後から取り返しにくい部分なので、早い段階で押さえておきましょう。

耐震等級3相当という表記をうのみにしない

耐震等級3相当という表記をうのみにしない

パンフレットや広告で最も注意したいのが、相当という2文字です。この表記があるかないかで、第三者の評価を受けているかどうかが変わります。

同じように、レベルや水準といった言葉が添えられている場合も同様の確認が必要です。

気になったときは、設計住宅性能評価書を取得する予定があるかを直接尋ねましょう。

言葉の解釈で議論するより、書類の有無で確かめるほうが確実で早い方法です。

相当という表記自体が悪いわけではなく、実際に高い耐震性を確保している住宅もあります。

問題になるのは、正式な等級3と同じものだと受け取ってしまうことのほうです。

数字だけで安心せず施工品質まで確認する

数字だけで安心せず施工品質まで確認する

図面上で等級3であっても、そのとおりに施工されなければ性能は成立しません。

2016年の熊本地震の調査では、新耐震で倒壊した住宅の多くで、筋かい端部が釘打ち程度の軽微な接合方法だったことが確認されています。

設計と施工は別の工程であり、どちらが欠けても結果は変わってしまいます。

建築中に構造見学会があれば、金物や釘の打ち方を実際に見ておくとよいでしょう。第三者機関の検査を入れているか、工程ごとの写真を残しているかも尋ねてみてください。

完成後に見えなくなる部分こそ、記録の有無が安心につながります。

平井建設は1981年の創業から45年、熊本の地で同じ大工や職人とともに家づくりを続けてきました。設計から施工、引渡し後の点検までを一社で担うため、現場で誰がどのように納めたのかを後から辿れます。

どのような住まいを手がけてきたかは「これまでに手がけた住まいの実例」からご覧いただけます。

平井建設の住まい

Event

塗り壁・無垢の心地よさは、実物で確かめられます。

完成見学会・構造見学会・イベントで、自然素材の質感や、住まいの性能を実際にご体感ください。ご予約制・参加無料です。

部分的な補強だけで終わらせない

部分的な補強だけで終わらせない

既存住宅の耐震補強では、予算の都合で範囲を絞ることがあります。命を守る部屋から優先する考え方自体は合理的で、段階的に進める選択肢も現実的です。

ただし、補強していない部分が残ることは正しく認識しておく必要があります。

一部を強くしたことで力の流れが変わり、別の場所に負担が集中する場合もあります。どこまで対応したのか、次に何を残しているのかを診断結果とあわせて記録しておきましょう。

記録が残っていれば、数年後に予算ができたときに続きから進められます。外壁や屋根の工事と同時に行えば、足場の費用をまとめられて総額を抑えられる場合もあります。

補助金の条件と申請時期を後回しにしない

補助金の条件と申請時期を後回しにしない

耐震診断や耐震改修には、自治体の補助制度が用意されていることがあります。

注意したいのは、多くの制度が工事の着手前に申請を求めている点です。先に工事を始めてしまうと、条件を満たしていても対象外になる場合があります。

年度ごとに予算枠や受付期間が決まっていることも多く、申請の順番を誤ると次年度待ちになります。制度の内容は変わるため、最新の条件は熊本市や熊本県、お住まいの市町村の公式情報で確認しましょう。

令和8年7月28日の熊本地震で被災した住宅については、益城町が2026年9月10日から罹災証明書の発行と応急修理の支援を始めています。

通常の耐震改修補助とは別の枠組みになるため、被災住宅の補修を検討している場合は「益城町の令和8年熊本地震の案内ページ」で対象と手順を確認してください。

診断への補助と改修への補助が別制度のこともあり、それぞれ申請が必要です。

手続きがわからない場合は、依頼先に代行や同行を頼めるか聞いてみてください。

まとめ

まとめ

国土交通省の委員会報告書によると、2016年の熊本地震の益城町中心部で耐震等級3だった木造住宅16棟に倒壊はなく、14棟が無被害、2棟が軽微または小破の被害でした。旧耐震が28.2パーセント、

2000年以降が2.2パーセントという倒壊率と並べると、基準の更新が結果に表れていることがわかります。

ただし被害ゼロではないこと、母数が16棟であること、効いたのは表示ではなく壁量と配置と接合部だったことは、あわせて押さえておきたい前提です。検討中の住宅なら設計住宅性能評価書と構造計算の方法を、

既存住宅なら建築年と図面の有無を確認するところから始められます。

書き出したチェック項目を持って、構造の説明を受ける場をつくることが次の一歩になります。

2026年7月の令和8年熊本地震については国の委員会が分析中で、耐震等級3の集計はまだ出ていません。結果が公表され次第、本記事にも反映します。

よくある質問

2016年の熊本地震では倒壊は確認されていません。国土交通省の委員会報告書によると、益城町中心部の悉皆調査で
耐震等級3だった木造16棟のうち、14棟が無被害、2棟が軽微または小破の被害でした。
ただし棟数が限られる点は踏まえて読む必要があります。2026年の令和8年熊本地震については国の委員会が分析中で、等級別の集計はまだ公表されていません。

倒壊しないと言い切ることはできません。等級3は建築基準法の1.5倍の地震力に耐える設計を指しますが、地盤の状態や施工の精度、繰り返しの揺れによって結果は変わります。
2016年の熊本地震の実績は判断材料の一つとして扱うのが適切です。

震度7の揺れを二度受けた2016年の熊本地震で、耐震等級3の住宅に倒壊も大破も確認されませんでした。
一方で建築基準法は繰り返しの大地震を想定していないため、無条件に耐えられるという意味ではありません。

2016年の熊本地震では約28.2パーセントです。益城町中心部の悉皆調査エリアの旧耐震の木造759棟のうち、
214棟が倒壊しました。新耐震は1196棟中83棟で6.9パーセント、2000年以降は319棟中7棟で2.2パーセントです。

一律には決まりませんが、注意が必要な年代です。築50年の住宅はほぼ旧耐震基準にあたり、2016年の熊本地震では旧耐震の木造の28.2パーセントが倒壊しました。
壁量や接合部の状態によって差が出るため、まず診断で現状を把握しましょう。

条件によっては可能ですが、まず耐震診断で現状を数値化することが前提になります。
壁の増設や接合部の金物、基礎の補強、屋根の軽量化を組み合わせて目標値に近づけていきます。建物の状態によって到達できる水準は変わります。

建物の規模や形状、工法によって幅があるため一律の金額は示せません。構造材や金物の増加、構造計算や評価機関への申請の費用が加わります。一方で地震保険料が50パーセント割引になるため、長期の収支で比べる考え方が有効です。

一般に平屋は建物が低く重心も低いため、揺れによる力が小さくなる傾向があります。ただし壁の配置が偏っていたり屋根が重かったりすれば、平屋でも被害は生じます。階数だけで決まるものではありません。

補助金を使う場合は工事の着手前が必須です。制度の多くは事前申請を条件としており、先に工事を始めると対象外になることがあります。年度ごとの受付期間もあるため早めに動きましょう。

出典

本記事の調査データは、すべて次の一次情報に基づいています。

国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書(2016年〔平成28年〕9月30日公表、2016年の熊本地震に関する最終報告)

報告書の一覧ページ(国土交通省 報道発表資料)

第3章 被害状況・被害要因等の分析(PDF)

引用した記述は、いずれも同報告書 第3章の益城町中心部の悉皆調査に関する部分です。

本記事で示した数値 報告書 第3章の該当ページ
住宅性能表示制度を活用した木造19棟と耐震等級3の16棟の被害状況 p37、p46
旧耐震759棟・新耐震1196棟・2000年以降319棟の棟数と倒壊率 p36、p45
新耐震の木造住宅における接合部仕様の状況 p40、p45
西原村で築40年超の木造住宅の倒壊が多かったこと p38、p46

令和8年熊本地震(2026年7月28日発生)に関する記述は、次の公的情報に基づいています。
国の委員会の分析結果が公表され次第、本記事の内容を見直します。

[気象庁 令和8年熊本地震 ポータルサイト](発生日時・規模・震度)

[国土交通省 令和8年熊本地震における建築物構造被害の原因分析を行う委員会(第1回)報道発表](2026年8月31日開催)

[益城町 令和8年熊本地震 被災者支援の案内](罹災証明・応急修理支援)

最終確認日:2026年9月11日

Next Step

家づくりのこと、
まずはお気軽にご相談ください。

新築・注文住宅から、リフォーム・リノベーションまで。無料相談、資料請求、見学会——お好きな入口からどうぞ。無理な営業はいたしません。

お電話でのご相談096-286-5604
創業45年・益城町の工務店|塗り壁・自然素材と、断熱・耐震・換気の性能で建てる家